インドネシアは世界第4位の生産量を誇る、世界有数のコーヒー大国です。
日本では、「コピ・ルアク」「マンデリン」「トラジャ」「ガヨマウンテン」「バリ・アラビカ」「ジャワコーヒー」「キンタマーニコーヒー」が有名なのではないでしょうか。
今回は、その中でも香りとコクが際立って優れ、まろやかな風味でもっとも飲みやすいガヨマウンテンについて解説いたします。
ガヨマウンテンは、フジテレビ系列放送の「所ジャパン」でディーンフジオカさんの愛用コーヒーとしても紹介されていました。
番組の中で、もともとコーヒーが飲めなかったディーンさんが、ガヨマウンテン(番組内ではアチェガヨとして紹介)を飲んでから、コーヒーが大好きになったというエピソードが紹介されています。
ガヨマウンテンは、その飲みやすさから世界中にファンをもつコーヒー豆ですが、日本での流通量は極めて少ない希少なコーヒー豆です。
1.ガヨマウンテンの特徴
ガヨマウンテンはインドネシア国内でも「秘宝」と呼ばれている良質で希少なコーヒー豆です。
なぜそのように言われているのか?を見ていきます。
1-1.産地はインドネシア スマトラ島 アチェ州 ガヨ地区
ガヨマウンテンはインドネシア スマトラ島のアチェ州ガヨ地区で生産されています。
ガヨ地区はコーヒー作りに適したコーヒーベルトに属していることと、オーガニック認証も取得している化学肥料や農薬を使わない自然農法で栽培されているため、大変良質なアラビカ種のコーヒー豆が生産されています。
また、アチェ州は、インドネシア国内でもシャリアと呼ばれるイスラム法が唯一施行されているとても厳しいイスラムの戒律が重んじられていて、隣接地域のインドネシア人ですら近寄ることができない場所でした。
その上、生産拠点であるガヨ地区は、輸送手段も人力で、生産量も少ないことから希少なコーヒーとして認知されているのです。
1-2.精製方法
1-2-1.メインはスマトラ式(ウェットハル)
ガヨマウンテンは主にインドネシア スマトラ島の伝統的な精製方法であるスマトラ式で精製されます。
スマトラ式は別名ウェットハル、現地ではギリング・バサー(Giling Basah)と呼ばれています。
スマトラ式の精製は、まずコーヒーチェリーから果肉を除去した後、一晩乾燥させてミューシレージと言われる粘液を分解し洗い流します。
その後、パーチメント(内果皮)の水分含有量が10~12%になるまで数週間かけて乾燥させ、出荷直前で脱穀する精製方法です。
この精製工程によってスマトラ独自のパワフルなフレーバーが生まれると言われています。
1-2-2.スマトラ式以外の精製方法
日本での流通量はごく少量ですが、スマトラ方式以外の精製方法でもつくられています。
<ハニープロセス>
ハニープロセスでは、あえてミューシレージを完全に除去せず、少し残しておいた状態で乾燥させる製法です。
この精製方法は、コーヒー果肉のジューシーさと甘みを出しつつ、後味がスッキリしている特徴があります。
<ナチュラル>
ナチュラルは、一切水を使用せず、収穫したコーヒーチェリーをそのまま2~3日間、天日乾燥させる製法です。
出荷ぎりぎりまで脱穀しないため、果実のフレーバーが生豆に浸透して、濃厚なフルーティーな香りと味わいが引き出されています。
<ウォッシュド>
ウォッシュドは、コーヒーチェリーの果肉やミューシレージを完全除去し、大量の水を使用して洗い流した後、乾燥させる製法です。
世界中で広く採用されている精製方法で、クリーンな味わいを引き出すことができます。
1-3.味わいの特徴
ガヨマウンテンの味わいの大きな特徴は、フローラルな香りと甘味、そして、しっかりとしたコクがありつつ、まろやかな風味です。
そのため、苦いコーヒーが苦手でもとても飲みやすいコーヒーなのです。
<ガヨマウンテンの味わい>
- フローラルな香りと甘味
- 重厚なコク
- まろやかな風味
- 後味スッキリ
2.マンデリンとの違い
ガヨマウンテンとマンデリンは、同じスマトラ島で生産されていますが、全く特徴が異なります。
大きな違いは、酸味と苦味です。
マンデリンは、酸味が弱くコクと苦味が特徴的ですが、ガヨマウンテンは、甘味と酸味のバランスが良く、マンデリンと比べると苦味が弱い特徴があります。
大まかに分けると、
【マンデリン】
コク・苦味が好きな方向け
【ガヨマウンテン】
香り・甘味を楽しみたい方向け
といったところでしょうか。
どちらが良いという訳ではなく、個性の違いなので、飲み比べて見るととても楽しいです。
3.ガヨマウンテンのおすすめ焙煎度と挽き方は?
コーヒー豆の特徴によって、美味しく飲める焙煎度と挽き方があります。
もちろん人の好みはさまざまなので、オリジナルのセッティングもあり得ますが、まずは、大多数の人が美味しいと感じる設定で飲むことをおすすめします。
3-1.ホットならハイローストで中挽き
ホットで淹れる場合、ハイローストで焙煎すると、ガヨマウンテンの最大の特徴であるフローラルな香り・甘味を引き出すことができます。
また、中挽きの粉にすることで、しっかりしたコクがありつつ、まろやかな風味を味わうことができます。
3-2.アイスならイタリアンローストで極細挽き
アイスコーヒーで飲む場合は、ある程度の苦味を担保するためイタリアンローストで焙煎します。
そして、旨味成分を惜しみなく抽出するため極細挽きで淹れます。
日本ではほとんど流通してませんが、ガヨマウンテンのG1を超える、ガヨマウンテンのスペシャルティでアイスコーヒーを淹れると、カップに口を近づけた時、アイスコーヒーなのにフローラルな香り広がります。
当店では、ガヨマウンテンのスペシャルティコーヒー豆を使用したアイスコーヒーを販売しております。
※ご注文を受けてから焙煎いたしますので、ご発送までに1~2営業日いただいております。
4.ガヨマウンテンの美味しい飲み方
ガヨマウンテンを淹れるなら、ハンドドリップかインドネシア方式の抽出方法がおすすめです。
4-1.ハンドドリップ
ハンドドリップは、コーヒーの旨味を効率よく抽出して、雑味を遮断してくれるメジャーな抽出方法です。
ハンドドリップで淹れる場合は、
- コーヒー粉10~12g
- 90℃のお湯を120~140ml
で淹れるのがおすすめです。
最初に30ml程度お湯を注ぎ、30秒蒸らしましょう。
この時、部屋中に拡がるガヨマウンテンの香りを楽しめます。
4-2.インドネシア方式(コピ・トゥブルック)
インドネシア方式は、コーヒー粉に直接お湯を注いで淹れる、コピ・トゥブルック(Kopi Tubruk)
と呼ばれる抽出方法です。
この方式は、1690年代にインドネシアにコーヒーが持ち込まれた時から現地で飲まれている伝統的な淹れ方です。
2010年以降、インドネシア国内のコーヒーショップでハンドドリップを淹れたコーヒーが出されるようになりましたが、現在でも一般家庭では、この方式で飲まれています。
インドネシア方式で淹れる場合は、
- 極細挽きのコーヒー粉12g
- 砂糖を適量
- 90℃のお湯を200ml
コーヒー粉と砂糖をカップに入れ、そこにお湯を注いだ後、かき混ぜます。
少し待って、粉がカップの底に沈殿したら出来上がりです。
4-3.カフェオレに最適
ガヨマウンテンのしっかりした重厚なコクは、ミルクとの相性が抜群です。
比率はコーヒー7:ミルク3の割合がバランスが良いです。
ミルクは、「小岩井 農場3.7牛乳[特選] 生乳100%」がおすすめです。
5.ガヨマウンテンはどこで売っている?
日本ではあまり流通していないため、コーヒー豆販売店に行っても置いてないケースがほとんどです。
そのため、ネット通販での購入がおすすめです。
その際は、ネット注文で気をつけるべき点として、農園がはっきりしているお店が安心です。
農園が明記されていない場合、最悪のケース香り付けがされている紛い物の可能性があるためです。
これはガヨマウンテンだけでなく、全てのコーヒー豆について言えることです。
当店では、ガヨのブキット農園から直接新鮮な豆を入荷しております。
G1はもちろんのこと、日本国内ではほとんど流通していない、ガヨマウンテンのスペシャルティ、ハニー、ロングベリー、ピーベリー、コピ・ルアクを販売しております。
※ご注文を受けてから焙煎いたしますので、ご発送までに1~2営業日いただいております。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ガヨマウンテンはインドネシアが世界に誇る最高級コーヒーの一つと言えます。
一度、そのパワフルな香りを体験してみてほしいです。